そんなナオさんに今後の夢を聞いてみると、「基本はキャンドルを作り続けていること。あとは、いずれは田舎で、自分が食べる分だけの野菜を作り、好きな人形に囲まれ、ちゃんと季節や、朝や夜など、基本的なことが感じられる環境の中で、キャンドル作りをやれていればいいですね」。
その生活に向かって、今はまだまだ挑戦のときだそうです。

クリスマスのイメージで作ったキャンドル
「まずは都会から離れていても、キャンドル作りが続けていられる地盤を築かないといけないので、東京でもう少し下地を作らないと(笑)。でも、以前は私はこういうものしか作りませんって頑だったんですけど、今は、人からこういうものを欲しいんだと言われるなどアイデアをもらったら、チャンスをもらったのだからやってみようかなって思うようになったり、柔軟にいろいろなことに挑戦するようになっているんです。たとえば、クリスマス用にオーダーをもらってツリーっぽいものを作ったり。あと、これまでは、音楽イベントとか、クラブでのイベント、PV撮影など空間演出が多かったんですが、最近はカフェでの販売とか、直接一般の方に買っていただける方向にもっといきたいなと考えたりするんです。その意味でも、変換期かもしれないと思うので、今後につなげるための挑戦を、今はいっぱいしていきたいと思います」
河口湖のアトリエで出会ったビリー。
今もナオさんの傍に。作業中は大人しくのんびりすごしているのだとか。
都会生まれの都会育ちのナオさんが将来に望む田舎暮らしについては、実際、昨年まで3年間、河口湖で暮らして、その思いを深くしたそうです。
その魅力は何より、「人間らしい暮らしが送れること」でした。
「田舎に住んで気づいたのは、夜ってほんとに暗いんだなってことでした。都会にいるときは、夜型人間だったのが、自然に、夜10時くらいに寝て、朝7時には起きるようになって、その生活を続けるようになって、人間って夜行性じゃないんだってことに気づいたんです。人間には体内リズムがあって、夜、ちゃんと休むことで体調が変わってくることを実感しました。正しい生活を送っていると、体の芯の部分が変わってくると思うんです」
そんな経験を元に、疲れている現代人に、ナオさんはキャンドルアーティストならではの、こんな提案をしてくれました。
キャンドルの溶け方も置かれた環境によって千差万別。写真は「こんなふしだらな溶け方をすることもあるから感激」な逸品。
「現代は、休み方を知らない人が多いと思うんです。そういう人たちには、夜、やることをやって片付けも終わったら、とりあえず電気を消して、キャンドルにしてみることをお勧めしたいですね。キャンドルにすると、手元しか明るくないから、まわりの普段目に入るものが入らなくなるんです。暗いから細かい仕事もできなくなる。明るいとつい、あれもやらなきゃこれもやらなきゃって思いがちだけど、暗いからできないや。で、いろいろなことが諦められる。キャンドルは休めるきっかけをつくる方法ですよ」
夜は何もせずに、刻々と変化するキャンドルの姿を楽しみながら、暗闇に浸り、体を休める。そんな時間は電気を節約するだけでなく、人間本来がもつ力を蘇らせ、体のバランスをととのえる……心身ともに気持ちが良い生活を送るための秘訣。今日からは手作りのぬくもりあふれるキャンドルで、暗いけど、心身にも環境にもやさしく温かい、そんな夜を過ごしてみませんか?







