vol.6 「服からエコロジーを考える」~古くて新しい“物々交換”を実現させたサステナビリティーのジャンヌダルク~

「お金」ではない「思い」のやりとり

xChangeのスタイルは、会場に着なくなった服や靴、帽子、カバン、アクセサリーなどファッション・アイテムを持ち込み、代わりに他の人が持ってきたアイテムから気に入ったものを何点でも持って帰れるというもの。
フリーマーケットやリサイクルショップと何より違うのは、「お金を介さないこと」です。
「1円でも10円でも洋服に値段をつけてしまったら、この会の意味は変わってしまう」と丹羽さんは強調します。
「今、私たちは、お金を介した経済システムに慣れきってしまっています。でも、そうではなくて、一番原始的な“人と人とのやりとり”にもう1度戻ってみようよ。というメッセージをxChangeには、込めているんです。グローバル資本主義に対する古くて新しい経済のやりとりです」

「そこには〈お金〉ではない〈思い〉のやりとりが生まれる」と丹羽さんは言います。
その醍醐味を味わえるのが、商品につけられた「エピソード・タグ」です。

エピソード・タグに思いを綴る
エピソード・タグに思いを綴る

アイテムを持ち込んだ人は、エピソード・タグに服に込められた思い出や取り扱いの注意方法、次に着てくれる人へのメッセージ等なんでも好きなことを書き込み、一点ずつ服につけます。展示された服を物色する人達は、値段を見るように、エピソード・タグを読みながら服を選ぶことができるのです。

「ファッション性が好きだからということだけで服を選ぶのではなく、『これってこの人のおばあちゃんが作ったものなんだ』とか、『15年前も前にパリで買って大事にしてたものなんだ』とか、お金ではない心の交流が感じられることって素敵だと思うんです。提供した人にしても、自分の服が持って帰ってもらえるとすごく嬉しい。

私もこの前、お気に入りだったマフラーを出して持って帰ってもらったとき、『よかったね、マフラーちゃん。おうちが決まったね』って思いました(笑)」

オシャレにクリエイティブにイベントを演出

とはいえ、xChangeでは「服は買わないようにしよう」と呼びかけているわけではありません。「物々交換で世の中のすべては成り立ちません。お金の役割は、やはり必要な面もありますし、洋服に関しても、オーガニック・コットンだったり、フェアトレードを掲げているエシカルなブランドのものを買うこと。それはそれでいいと思っています。ただ、xChangeを利用することによって、消費のパターンを変えること、そして、服からエコロジーを考えてもらいたいと思うんです」

シンプルでオシャレな空間
シンプルでオシャレな空間

実際、xChangeのイベントでは、オーガニック・コットンやバンブーなどの新素材を使ったコンシャスな服作りをしているファッションブランドのブースを設けて、販売もしています。さらに、リメイク・コーナーでは、オリジナルの一着を制作することもできます。
「ファッションブランドから捨てられてしまうはずの端切れをいただいてきて、ミシンや裁縫道具、作り方の手ほどきをしてくれるデザイナーさんと一緒に、皆さんに作る楽しさを感じてもらうようにしています」

そのほか、会場には丹羽さんのアイデアがいたるところに光っています。そのすべてに共通して言えるのが、オシャレでクリエイティブな雰囲気ということ。
「いい音楽をかけて、グリーンを配したり、オーガニックフードを出したり、雰囲気作りには気をつけていますね。エコロジーを考えると言っても、ただ単に削ぎ落として昔の生活に戻れば良いわけではないと思うんです。美しさとか、気品とか、クリエイティビティとかアーティスティックなことを打ち出して、エコロジーを考えてもらえるようにするのも、xChangeの役割だと思っています」

東京ロハス