vol.5 「パパ料理を通して家庭の幸せを創造する」~“男子厨房に入るべし!”を実践するビストロ・パパの挑戦~

「“おふくろの味”ならぬ、“おやじの味”を文化にしたい!」。そんな思いから週末は家族のために自宅で自身が料理に腕を振う“ビストロ・パパ”をオープン。その日のメニューをブログで紹介し、5年間で1100もの投稿を重ね、パパ料理の普及に務めているパパ料理研究家の滝村雅晴さん。ビストロ・パパが提案する“パパ料理が築くこれからの時代の豊かなライフスタイル”をご紹介します。

子どもの誕生をきっかけに料理スイッチがオンに

「男子厨房に入らず」ほどのこだわりはなかったものの、特別、料理をしていたわけでもない、ごくごく普通のダンナさまだった滝村さんが料理を本格的に始めたのは、今から5年前。第一子となるお嬢さんが誕生したことがきっかけでした。

「妻とは社内結婚だったんですが、ベンチャ-企業だったので、子どもができるまで2人とも朝から晩まで仕事ばかりしていて、他の時間といえば外でうまいものを飲み食いばかりしていたんです。もともと2人とも飲食が大好きでしたから。そんな生活から突然、子どもができたからといって食事を適当に済ますことはできないなと(笑)、これはもう自分で作るしかないと考えたんです」

「子育てに追われる奥様においしいものを食べさせてあげたい」。そんな優しい思いも原動力となり、仕事のない週末はキッチンに立つように。そして、その行動に拍車をかけたのが、料理研究家の行正り香さんの料理本でした。


魚をさばく手つきも見事!アジなど小魚ならお家でさばきます。

「会社の友人に最近、家で料理をしているという話をしたら、行正り香さんの料理本が簡単でおいしいよと教えられたんです。それまで僕はレシピを見て作ることはほぼしていなかったんですが、本を買ってきてレシピどおりに作ってみたら、おいしくてびっくり。で、ちゃんとレシピどおりに作れば世の中でおいしいと言われている料理はすべて自宅で作れると気づいたんです」

それからはレシピ本を買い集め、毎週末新作に挑戦。今や本は200冊を越えるほどに!
「レシピを読んだらおいしい料理が作れるとわかってから楽譜みたいに増えていきました(笑)」
もちろん、本が増えるとともに、滝村さんのレパートリーもどんどん増えていきました。

男の料理は時間と金がかかる!を克服


ガス代のまわりには、調味料や道具類が使いやすいように配されています。

たまには家で料理をする、そんな料理好きのお父さんは滝村さんのほかにもいることでしょう。ただし、そんなお父さんに対して、奥様サイドの口から必ず出るのが「でもね、男の人の料理はお金がかかる、道具に凝る、時間が長い、後片付けをしない」という不満。
滝村さんも初期の頃は奥様にそう言われていたと苦笑します。

「材料に書いてある生のイタリアンパセリがなくてスーパーを4件はしごしたこともありました(笑)。でも料理をすればするほど、そうとばかりは言ってられないと思うようになる。ハーブ類はないのが嫌なので家庭で育てるようになったり、あるいはドライのもので済ませるようになったり、そんなふうにだんだん克服するようになって、道具もそうなんですが、こだわりは乗り越えまして、5年経ってようやくホンモノになってきたかなと思います(笑)。今は冷蔵庫を空けて、ありあわせのもので料理を作るということもよくしますよ」


レシピを見ながら料理ができるよう、冷蔵庫には専用のラックを設置。マグネットタイマーも冷蔵庫に取り付けられています。

この日、滝村家の冷凍室には1/4サイズの鰹の冊が入っていました。旬の鰹が丸ごと1本800円だったので3枚におろしてもらい購入。「刺身の下処理をしたり手間がかかりますが、一匹丸ごと買って、対面調理で3枚にしてもらえば、断然安く食べられますからね」と滝村さん。
さらに、こだわりの素材について尋ねてみると、「旬の素材が一番栄養価が高く安いから使いますね。だってほうれん草は冬場は99円ですけど、夏場は140円もしますからね」。男の料理とはいえ、経済効率もしっかり考えています。

もちろん、キッチンに立ったときは、料理を進めながら使った道具はすぐに洗い、片付けていきます。その手際の良さが何年も実践していることを証明しています。
その変化の根底にあるのは、なんといっても、料理を「自分の趣味」ではなく、「家族の笑顔のために」作っているという思いです。

東京ロハス