2003年8月、当時の売上の7割を依存していた取引先が自己破産。連鎖倒産の危機に瀕した池内社長は、売上の7割を占めいていたOEMを捨てることを決断し、売上の1%にも満たなかったIKTブランドを中心に会社を再生することを決意、民事再生法の適用を申請しました。
自社ブランドでの独自展開は厳しいハードルばかりで、課題は山積みでした。しかし、そんな大変な時期を支えてくれたのは、IKTブランドのファンからの応援だったと池内社長は微笑みます。

「公開しているメールアドレスにたくさんの激励メールを寄せていただいたんですが、その中に、『タオルを何枚買えば池内タオルは存続できますか?』というメールがあったんです。この言葉にどれだけ勇気づけられたかわかりません」
消費者に嘘をつかないブランドは、そのまま、消費者の真摯な応援に支えられ、存続できたといっても過言ではないでしょう。そして、そうした人々に支えられているという自負があるからこそ、社長の商品づくりの哲学はその後も決して揺らぐことはありません。
半年に1回はモデルチェンジをするのが当たり前の日本のタオル業界において、池内タオルは、モデルチェンジを極力しないという姿勢を貫いています。それも理想のタオルづくりのためのこだわりのひとつです。
「IKTブランドによって当社が再生できたのは、ただ、ひたすら信念をもってコンセプトを曲げることなく商品づくりに取り組んだこと、そしてそのコンセプトをひとりでも多くの方に知ってもらえるように、労を惜しまず語り続けたことが受け入れられたんだと思います。当社のタオルはぱっと見てかわいいとか、ひと目見て気に入るというようなデザインの商品ではありません。けれど、池内タオルを応援してくれている人たちは池内タオルが変わらないことを望んでいるのだと思うんです。我が社では、買ったときの品質がより長く安定して続くことが環境にもっともやさしいと考えています。
タオル業界では半年に1度のモデルチェンジをすることが当たり前ですが、エコテックスの認証は非常に厳格で、タオルに使われているネームタグやミシン糸にいたるまで、すべてにかかわる化学製品について報告しなければなりません。そのため、エコテックスの認証を得るには、半年に1度モデルチェンジする状況ではとても間に合わないという現実もある。タオルは最低でも10回洗濯したあとに、品質の良さが判断できます。ですから、皆様にはそんなタオルを安心して揃えていただきたい。うちはそのために、モデルチェンジをせずに、同じモデルを作り続けていますので。もちろん、品質は常に向上させていますよ」

「タオル1枚にこだわることから、生活が変わる」と池内社長は言います。
「うちのお客様で、無意識にうちのタオルを買ったという方はひとりもいらっしゃらないと思います。そんなふうに、タオル1枚でも安全性や品質、環境について意識していると、生活は次々と変わって行くと思いますよ」
そして、そんな消費者の要望の応えるために、社長は新たな挑戦もし始めています。
「これまで培ってきたノウハウを基本に、最終的には、トータル・オーガニック・テキスタイル・カンパニーになることを目指して今、計画を進めています。すでに、カーテンやソファの張地などは手掛けていて好評いただいているんですが、今後はベッドシーツなどの寝具まわり、キッチンまわりなど、IKTのコンセプトは変えずに、少しずつ広げていき、家のなかで使っている織物・布地ものはできる限りつくりたいと思っています」
消費者に、環境に、「ピュア」であることをテーマに信念を貫いて未来を切り開く池内タオル。10年間、培ってきたノウハウと実績をもとに、今後、どんな商品を我々の手に届けてくれるのか、展開が楽しみです。
「つらぬく」経営 世界で評価される小さな会社・池内タオルの真髄
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