ロハスインタビュー -エココンシャスな著名人が語るロハストーク- vol.1 大和田順子さん「皆さんと一緒に活動しながら、持続可能な社会を実現させていきたい。」

3つの健康、そして3つの思いやり。

「あらためて、ロハスとは何ぞやという話をさせていただきたいのですが、一般的には“ロハス”は、“健康と環境に配慮したライフスタイル”といわれていますけど、よく考えると、健康には3つの意味があると思うんです。
1つは“人の健康”。心と体の健康というのがあります。日本は長時間労働なのに、国際競争力や生産性が落ちている。うつ病など心の病も増えている。
2つ目は、“地域社会の健康”。日本各地を歩いていると、さまざまな問題を知ります。農山村の過疎化、低い食糧自給率、荒れている森、中心市街地の空洞化・・・が随所で起きているのです。そういった地域社会の健康を取り戻す。
そして、3つ目が“地球の健康”です。温暖化、気候変動は本当に人類が直面している大きな問題です。
こうしたこの3つの健康を取り戻すには、価値観や行動を変える必要がある。その考え方の鍵が、ロハスにあると思うのです。

一般的に環境と言われていますが、ロハスのS、“Sustainability”という言葉はわかりにくいと思うので、“3つの思いやり”と、言い換えています。ひとつはどんな環境を次の世代に受け渡すのかという“次の世代に対するの思いやり”。そして、フェアトレードや貧困問題など“途上国への思いやり”。それから“他の動植物への思いやり”。こういった“3つの思いやり”が、持続可能性の意味だということを、ぜひ覚えておいてください。」

カルチュアル・クリエイティブ

とっても素敵な笑顔が印象的な大和田さん

「ロハスが生まれる経緯として、その大本になっているのが、カルチュアル・クリエイティブといった新しい価値観を持ったひとたちの存在です。文化創造者とでもいいましょうか。
エコロジーとか、人間関係とか、平和、社会主義、そういったことに深い関心を寄せる人たちです。社会学者のポール・レイ博士が本の中でお書きになっていますけども、具体的には政治家ではトニー・ブレアさん、宗教家ではダライラマさん、そしてビジネス関係ではアニータ・ロディックさんの名前が挙がっているのです。
先程お話しした、ボディショップの創業者ですね。私はこのことを聞いたときに、なんか自分の中で全部が繋がったといいますか、社会を変える、新しい文化・社会を創る人たちとは、こういうひとたちなんだということです。」

- お話をお伺いしていると、大和田さん自身が、これまでの様々な活動・経験を通して、“ロハス”とか“サステナビリティ”といった、何となくわかっているようで、実は抽象的な言葉に対して、自らのフィルターを通して捉えなおし、それをまた、次のアクションにて発信し、実践していらっしゃるように感じます。
では、大和田さんの最近注目されていること、そして今後の方向性とはどんなものなのでしょう。

ギリギリのところまで来てますが、まだ間に合うんじゃないかと思うんです。

アグリス成城にある大和田さんの畑

「実は私が今、関心が一番あるのは、農山村とか、農業・林業など一次産業をベースにした地域づくりなんです。
昨年春、小田急電鉄が“貸し菜園事業を始めたんです。これ(大和田さんがご自身で育てた農作物の写真)は私が育てている野菜なんですけど、やっぱり、実際に自分で育ててみると、色々なことに気づくわけです。何がいつ取れるかとか。
そして、地方に講演等でお伺いする機会が多いので、その際に農村とか農業についてお聞きしたり、調べたりすると、にわかにその分野に関心が沸いてきたというわけです。

例えば、大分県の竹田市という、人口2万6千人の小さな町があるんですが、市町村合併で非常に広い範囲になりまして、高原あり、温泉あり、農産物が豊富で。そこが今、3年間で195人の雇用を創出するんだということで、東京にいると、なんだ195人って思いますけれども、過疎地域で195人の雇用を創生するというのは大変なチャレンジなわけです。それをこういった農産物とか温泉とかそういった地域の資源を活かして、商品開発や観光につなげて雇用を創出しようと。NPOや地域のみなさん、ほんとに元気で、明るくて活気に満ちています。

それぞれの特産物とか生活文化、みんなが誇りに思う。昔は出身地を隠してた時代がありましたけど、最近ではみんな、“堂々と”表明する時代になりましたよね。私は東京生まれで、東京育ち、東京以外に住んだこともないわけで。それぞれが町の個性とか、地域の個性を活かすような町づくりとか。そういった視点で見ていると、日本にはまだまだ里山もたくさん残っているし、宝が沢山あるわけです。限界集落の問題や、森林の荒廃など、ギリギリのところまで来ていますが、まだ間に合うんじゃないかと思うんですね。
そして、低炭素社会をどう実現するか、この2つがセットになっているわけです。

なぜ、セットになっているか。わかりやすい例で言うと、有機農産物や地域の農産物を食べることで、地域の農家や経済を活性化することができますし、輸送にかかるCO2を削減することができます。また、エネルギーも川の水で発電するナノ水力発電とか、バイオマス発電など、まだまだ開発されていない手法があるわけです。私たち、市民というか生活者が、自分の食べるものやエネルギーに、もう少し関心を払うだけで、大きく世の中を低炭素(カーボンオフ)な、方向に舵を切ることができるのです。

2050年に、こんな低炭素社会を作りましょうと、国のほうでも、ビジョンを描いています。そして、まずは私たち自身も、どんな社会を作りたいか、心豊かな社会とは、地域の自然資源を活かしながら、もったいないとか、コミュニティを重視した暮しとは、社会とは、といったことをイメージしてみる時代がきているんじゃないかなと思っています。」

NPO環境立国

とても楽しそうに、未来を見据えて語る大和田さん

「今までLBAでも活動してきましたけれども、やっぱりそういう個別の事業やビジネスを皮切りに、地域活性化、地域再生とか、そういったものへもだんだん関心が広がってきましたところに、この3月にNPO環境立国という団体が設立されたという話を聞きました。
持続可能で、低炭素な社会づくりのためには“ひとづくり”が必要だとおっしゃるんですね。元環境大臣や産業界のリーダー、第一線の研究者の方々が発起して、今年の7月には予備講座を開催します。

ホームページには未だ情報があまり掲載されていませんが(2008年5月現在)けれども、理事長は、元鹿島建設の副社長を務められた庄子幹夫さん。自分の人生の残り10年をかけて、この活動に専念すると。気候変動をストップするために、世界に環境技術や政策で貢献する国づくりをしようということで、元環境大臣の大木浩先生、東京大学教授の山本良一先生をはじめ、環境経済、環境法とか、専門家の方々にお声掛けをされて。そして、ライフスタイル変革担当をということで、光栄にも私のところにお話がきまして、ぜひ活動に参加させていただきたいと申し上げた次第です。

今後、LBAと環境立国という2つの活動を中心に、鳥の目で社会全体を俯瞰しつつ、個別の事業とか、地域再生に関わって、貢献していきたいですね。この10年が勝負です。皆さんと一緒に活動しながら、持続可能な社会というものを、ぜひ実現させていきたいと気持ちを新たにしています。」

- まずはボディショップとの出逢いから、身近な化粧品からはじまった“ロハス”な気づきが、大和田さん自身の行動とともに育ち、共鳴する同志の方々との出逢いからLBA、そして、“NPO環境立国”というような、日本を俯瞰しての活動につながっていく。ご自身のライフスタイル、ワークスタイルの変化自体が、とてもロハスでサステナビリティなものだと感じたインタビューでした。
大和田さんが共同代表を勤めるLBAは法人のみでなく、個人会員も多く参加されているとのこと。ロハスにスイッチするひとつのきっかけとして、興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。第二期の第一回記念セミナーが7月15日に開かれるそうです。

ロハスインタビュー