GREENER COMPANY - Vol.9 ドギーバッグ普及委員会 食べ物の大切さ、世界の食糧問題を考えるようになればいい。
ドギーバッグがそのためのツールになればいいと思ってドギーバッグの普及を進めています。

山本 啓一郎(やまもと・けいいちろう)

大阪府出身。
97年に関西学院大卒業後、商社、PR会社を経て09年2月から現職。
ドギーバッグ普及委員会  理事長

「ドギーバッグ」とは、レストランなどで食べきれなかった料理を持ち帰るための容器のこと。語源は、食べ残しを持って帰るのは恥ずかしいので「犬のエサにするから」という名目で持って帰ったことだといいます。
この容器の普及を呼びかけているNPO団体がドギーバッグ普及委員会です。同委員会は「日本および世界の環境問題・食料問題を改善するため、ドギーバッグの普及啓蒙活動を行うことを目的」(同委員会規約より)に、09年に発足しました。その目的、活動内容について、同委員会の山本啓一郎理事長にお話を伺いました。

ドギーバッグを食糧問題を考えるツールに

山本 啓一郎さんのイメージ

「私たちがドギーバッグ普及委員会を発足させた背景には、食糧問題というものがあります。日本は、食糧自給率が約40パーセントと、輸入食材に頼らなければ台所をまかなえない現実があります。ところが、まだ食べられるのに捨てられている食糧が約500万トンから900万トンあるといわれています。その一方で、食料が足らない国への全世界の援助量が750万トンあります。つまり、全世界の援助量に匹敵する食糧が、日本1国だけで捨てられているんです。これは、単純に食べ物がもったいないですし、経済的な損失も計り知れないだろうと思います。
そういう、食べられるものを捨てているという現状がある。その中で私たちに何かできることはあるかというと、一番最初にできるのは注文したものを残さず食べること、残った場合には持って帰ることです。そのためのドギーバッグなんです。
もちろん、ドギーバッグだけで捨てられている食べ物をすべて減らせると考えているわけではありません。ただ、これをきっかけに食べ物の大切さ、世界の食糧問題を考えるようになればいい、ドギーバッグがそのためのツールになればいいと思ってドギーバッグの普及を進めているんです」

スタッフとの会食が活動を始めるきっかけ

「この活動を始めたきっかけですが、私はもともとPRの会社をやっていまして、エコ関係のPRや広報の仕事が多かったんです。

山本 啓一郎さんのイメージ

そのスタッフで会食をしているときに、最後にお勘定が終わってテーブルを見ると、かなり食べ物が残っている。やれCO2だとかリサイクルだとか温暖化だとか言っているスタッフが食べ物を残しているわけです。単純にもったいないですし、それを燃やす費用と燃料が要るわけですよね。これは非常に矛盾しているなということで、何かツールがないかなとネットで探しました。そこでドギーバッグを見つけて、メーカーさんにお声がけをして、これを広めたいんだけど、ということで、快く受けていただいたんです。
私自身は、その当時は食糧問題に関して、それほど深い知識があったわけではありません。ただ、エコにかかわってきて、どうも温暖化とかCO2ということに、リアリティがあまりなかったんですよ。別に懐疑的なわけではありませんが、実感としてあまりない。

クライシスって、水とか食糧問題のほうが直近のクライシスになっているようなんですね。水問題、食糧問題、人口増加、それから四つ目くらいのクライシスにCO2があるらしいんです。直近の、日本が20年後にどうなるかっていうくらいのクライシスが食糧問題なんです。ということで、なにか食糧問題に関することに携わりたいなと、この活動を始めました」