GREENER COMPANY 環境の再生には専門家だけでなく、幅広い英知の結集が必要。当会は、さまざまな分野の人たちが横断的に集まって、環境再生に向けた活動を下支えしています

環境再生医という資格と仕事


環境再生医のための本も出版している。

さて、それでは「環境再生医」とは何かということなんですが、これは、環境の処方箋が書けて治療ができ、かつケアができる人。つまり環境のお医者さんということです。なおかつ環境再生にあたっては、地権者との交渉や、行政など管理者とのパイプが必要だったり、漁業権の問題があったりする。環境を再生していくには、地域社会との合意、地域社会への参加という姿勢でやらなきゃいけない。そういう複雑に絡み合った状況を解きほぐして、合意形成に持っていく。これも環境再生医の役割です。

すでに二千数百人がこの資格を持っていますけれど、そうそうたる経歴を持った方が多いですよ。博士号を持っている人、環境カウンセラー、ビオトープ管理士、施工管理者、そんな人が、こぞって環境再生医の資格を取っているんです。
環境再生医として頼まれる仕事には、自分の専門分野を超えた内容もあるわけです。その場合は「環境再生医の会」のネットワークを通じて、専門知識のある人に聞いたり、来てもらったりしています。この会では年に2~3回はセミナーや勉強会をやって、つながりを深めていっていますから、いざというときに、そういえばあの人はこの分野に詳しいしいんで聞いてみよう、ということになる。そういう引き出しをいくつも持っている人が、優秀な環境再生医なんです。専門知識はもちろんのこと、さらにコミュニケーションの能力も必要だと思います。


杉山惠一理事長(富士常葉大学教授、静岡大学名誉教授)自ら描いたポストカー ド。

つまり環境再生医とは、縦に分断されたものを横につないで、自分たちの地域を復元、保全、維持をしていこうという資格です。いわば接着剤なんですよ。ぜったい交わるはずのない人が、お互いに環境再生医の資格を取得することによって、同じ会合に参加できる。メーリングリストのやり取りで意見交換できる。そういう場として多くの専門家が参加してくれているんです。
行政の関係者にも資格を取得した人は多いですよ。国土交通省の方も環境省の方もいます。地方公共団体はかなりいます。飯田市(長野県)ではこぞって取っています。静岡なんて、県と各市の担当者を集めると、けっこうな数が資格を持っています。あくまでも個人の資格ですよ。そういう人たちがボランティアとして各地の活動に参加しています。


Tシャツも杉山理事長の直筆。クワガタのポーズをとってくださったのは事務局 次長の河口さん。

環境再生医になるための資格認定講習は、毎年10月から12月にかけて全国で実施しています。講習後に試験があり、これに合格することで環境再生医として認定されます。
身につけるべき知識は幅広いんですが、たとえば環境に対する哲学、理念ですね。それから歴史的なこと。環境に対する見方、考え方は文明、宗教によって異なっていますよね。東洋ではもともと自然との共生という考え方があるんですけれど、キリスト教的な考え方だと自然とは征服すべきものだったんですね。そういったところからしっかり学ばなければいけない。さらに生態系や循環型社会とはどういうものかといった勉強。講習では、こういった総合科目を1日目に実施しています。
中級になると、自然環境部門と資源循環部門、環境教育学習部門という三つの部門に分かれていきます。自然環境部門では農山村とか河川とか海とか、都市の中の自然とか、法令のことなど。資源循環部門ではバイオマスのこととか産業廃棄物のことなど。環境教育学習では、市民活動のこととか、地域における役割とか、学校の中に自然を取り込んだ学校ビオトープを活用して、どういうふうに子どもたちに自然に触れてもらうかとか、そういったことを勉強します。1日中、講習>試験、講習>試験と、朝から晩まであるんです。受講生もたいへんですけど先生もたいへんですよ(笑)。

これからは基金を創設して資金面での支援も

今後の活動としては、現在行なっていることを続けていくことがまず第一。すでに環境再生に着手しているところは維持していかなきゃならないし、そうした活動に取り組んでいる人を応援していかなきゃいけない。ウチの会員には、それぞれの地域でNPOを主宰していたり、そこの主要な理事だったり、ローカルで動いている人たちが多いんです。そういう形でやってきたことをウチで取り上げて、全国に向けて再発信することもできます。それから、行政との交渉など、困ったときに出て行くこともできます。人材は全国にいるんですよ。
次には、金銭面、経済的な支援ですね。去る5月に当協会は国税庁の認定NPO法人になりましたので、おカネの面でも活動ができるようになった。寄付を集めて、しかるべきところに再配分する活動もしようということです。そんなに多くはムリですけれど、予算を立てられるような、しっかりした基金を作ろうと考えています。そこで資金を回しながら、みんなが自然との係わり合いのなかで営んでいけるような社会を構築することが目標になるんでしょうかね。かなり大きな言い方になりますが。


資格取得の手段も事務局で検討し作成する。

また、「環境再生医初級資格認定委嘱認定校制度」というものがありまして、現在、認定校になっている大学が23校あるんです。環境に関連する学部、学科を持っている大学で、卒業するときに環境再生医初級の資格を取得できる。それを全国50校まで広げようと、いま努力しています。学科とかシラバスとかこちらが取り寄せて調べて、ウチが認定するんです。大学を地域の核にしていこうということですね。これからは大学も社会に開いたものになるべきでしょう。とくに環境を教えるところはもっと大きな使命を持っていい。私たちは大学ではないのに環境再生医を育成し、輩出しているわけですから、双方がしっかりとネットワークを結んでいくことも大事なことだと考えています。


ポストカードなどのグッズは協会のサイト(下記リンク)で購入可能。売上の一部は環境再生活動に充てられる。

最後に、このサイトを見てくださっている方へ向けてのメッセージですが、環境問題というトビラを、まずはノックして、開いて見てください、と申し上げたいですね。堅苦しく考えず、とっかかりはなんでもいいと思うんですよ。身の回りすべてが環境ですから。例えばファッションが好きなら、オーガニックコットンって何なのかな、ということで、オーガニックコットン協会に問い合わせてみるとか。なんでだろうと思ったり、おかしいなと思ったり、知りたいなと思ったりするところがスタート。それを調べてみる、聞いてみる。「知る」ということが、豊かさへの第一歩につながるのだと思います。

関連リンク

NPO法人自然環境復元協会はSay LOVEキャンペーンに参加しています。
(キャンペーン期間:2008.12.1~12.25)

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