GREENER COMPANY -地球に優しい素敵な取り組み- vol.3 サッポロビール株式会社「ものづくりに対する真摯な姿勢が、社会からの信頼につながっていく。安心してビールが飲める社会が続くよう取り組んでまいります。」

蜂須賀 正章

1986年サッポロビール株式会社入社。

静岡工場、北海道工場などで、ビール醸造、品質管理を担当。

2007年から現職(サッポロホールディングス社CSR部社会環境グループリーダー兼務)。

社会環境室では、グループ全体の環境マネジメント、環境監査などを担当。

本年6月からは、経済産業省「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」の委員も務める。

「食の安全」が求められる中で、「おいしさも、安心も、すべて責任品質」をテーマに取組まれているサッポロビールさん。原料・品質へのこだわりに加え、「100%協働契約栽培」を実現している強みを活かし、ビール業界初となるライフサイクルアセスメント(LCA)を実施されました。その結果、主力商品のCO2排出量削減を達成された経緯や、具体的な取り組みについて、社会環境室長の蜂須賀(ハチスカ)様にお話をお伺いしました。

サッポログループのCSR基本方針

自然な笑顔が印象的な井手さん。
起業家というよりアーティストといった雰囲気が漂います。

わたしたちは、いつもお客様に喜んでいただける企業活動を通じて、社会に信頼されるグループであり続けます。

1876年の創業以来、私たちは社会と共生し、お客様の喜びを糧とし、歩んでまいりました。
サッポロホールディングス株式会社は、国内酒類事業のサッポロビール株式会社、国際酒類事業のサッポロインターナショナル株式会社、飲料事業のサッポロ飲料株式会社、そして、外食事業の株式会社サッポロライオン、不動産事業の恵比寿ガーデンプレイス株式会社の5つから成り立っており、私はビールのCSR部社会環境室に所属しつつ、ホールディングスのCSR担当も兼務しています。
CSR部の中にCSR推進グループという、各事業所などのCSR活動をまとめていくことを主な内容とした部署があり、各事業会社と連携しながら、それぞれの事業の内容に合わせた取り組みを推進しています。
例えば、サッポロビールでは、酒類メーカーとして飲酒運転防止や未成年飲酒防止などの課題に取り組む一方で、工場を操業していく中で環境負荷低減なども同時に考えています。恵比寿ガーデンプレイスのように、都市開発を事業としているところでは、都市の中で環境にやさしい街づくりに心掛けるなど、活動内容も多岐に渡ります。

社内で利用されているPCにもカーボンオフセットのパスが。社内で利用されているPCにもカーボンオフセットのパスが。 サッポロビール本社エントランスにある「創業期~今」

日本財団主催「CANPAN第1回CSRプラス大賞」グランプリ受賞

社内で利用されているPCにもカーボンオフセットのパスが。
グランプリ受賞の表彰状とともに。

「CSRプラス大賞」は、CSRの取り組みを積極的に行っている企業を奨励し、応援することを目的に設立されたもので、専門家の審査ではなく、市民のインターネット投票によって受賞企業を決定する日本初の制度です。その中で、今回のグランプリを受賞できたことは、麦芽やホップの「協働契約栽培」やビール業界初の「ライフサイクルアセスメント(LCA)」などの地道な取り組みが、皆様から評価いただけたものと考えております。

社内で利用されているPCにもカーボンオフセットのパスが。
クリスタルガラス製

2006年からは、ビール・発泡酒などに使用する麦芽・ホップはすべて協働契約栽培でつくられたものになりましたが、つくり手である生産者の方々と一緒になって原料をつくることについては、創業当時の明治時代からの変わらぬ取り組みです。ライフサイクルアセスメント(LCA)も、事業を継続するうえで必要不可欠な取り組みと考え、早くから環境負荷の削減に努め、CO2排出量の削減に大きな成果を挙げました。このような「地球にやさしいビールづくり」を目指した活動がお客様に伝わってきたのではないかなと考えています。

ライフサイクルアセスメント(LCA)とは?

ライフサイクルアセスメント(LCA)とは、例えばビールでしたら、原料の栽培、麦を麦芽に加工する段階はもちろん、容器となるビン、缶などの原料となる鉱石やアルミの採掘作業から製造する工程、輸送、使用、廃棄に至るまで、製品の一生のCO2の発生量、排出量を把握・評価する手法です。

環境へ与えている負荷を認識し、総合的に環境負荷の低い製品を開発するうえで、有効な手段とされていますが、多くの食品の場合、算出することが難しいのです。なぜなら、購入した原料が、どのように栽培されたかが正確にわからないため、計算できない場合が多いのです。原料を生産するという段階でも、農機具の燃料、化学肥料や農薬をつくる段階で石油が原料となっている場合もあります。実際に計算をしてみると、肥料や農薬によるCO2排出もそれなりの量になりました。

私たちは、創業当初からの協働契約栽培という取り組みがあるので、どこの畑でどの人がどうやって作ったかを、すべて把握しています。何月何日に何という肥料を何グラム蒔いたかという情報も、すべて共有しています。現在、2,100件ある協働契約栽培農家のデータを参照し、計算していきました。輸送に関しても、どの問屋さんまで何の商品を載せて運んだか。工場の中では、いろんな商品がある中で、どの缶のラインで何をどのくらい詰めて、どのビンのラインでどのくらい詰めたのか。その他、すべての工程で算出した数値をを割り振っていきます。どの段階にも、かなりのデータがあり、原料は購買部が担当し、輸送であれば、輸送を担当している部門がまとめ、工場は工場の担当という具合に、さまざまな人が関わってデータを集め、最終的にデータのチェックを行い、補足・修正を繰り返し、何カ月もかけてライフサイクルアセスメント(LCA)を実施しました。商品の一生を考えると、販売店に届いてからの輸送、冷却、お客様の自宅での冷蔵なども含めて算出したかったのですが、残念ながら、現実的にデータの収集も難しく、今回は含まれていません。